コラム
再生医療・医薬開発などの分野における革新的な技術やトレンドを紹介していきます。

再生医療・医薬開発のなどの分野における革新的な技術やトレンドを紹介していきます。

第4回:創薬をターゲットとした骨格筋ティッシュエンジニアリングへの期待
第4回:創薬をターゲットとした骨格筋ティッシュエンジニアリングへの期待
高齢者における筋機能の低下は、現在大きな問題となっています。特に創薬分野において、効果的な薬剤を開発するには、より生体に近いヒト骨格筋モデルが必要とされています。最新のエンジニアリングされた骨格筋組織とヒトiPS細胞由来の筋細胞において、In vitroで成熟した、機能的な筋細胞を得ることにはいまだに課題があります。ここでは、創薬と病態モデルへの応用のために機能的な骨格筋組織を培養するための新しいアプローチについてお話します。
第3回:ヒトiPSC由来心筋細胞は“成熟化”で再生医療への導入を 加速させることができるのだろうか?
第3回:ヒトiPSC由来心筋細胞は“成熟化”で再生医療への導入を 加速させることができるのだろうか?
心血管疾患(CVD)は、毎年約1,790万人の命を奪っています。世界的な死因のトップであるにもかかわらず、現在の治療法では、それによって引き起こされる障害の回復には至っていません。ヒト人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの幹細胞を用いた再生治療は、心筋の修復の可能性があります。本稿では、iPSC由来心筋細胞(iPSC-CM)を心筋再生に適用する場面や直面する課題について議論します。また、再生医療への応用を遅らせている重要な障害であるiPSC由来心筋細胞の成熟を促進するための、細胞シート技術に基づく新しいアプローチについても説明します。
第2回:成熟化iPSC由来心筋細胞は心毒性スクリーニングを 向上させることができるだろうか?
第2回:成熟化iPSC由来心筋細胞は心毒性スクリーニングを 向上させることができるだろうか?
心毒性は、前臨床試験、臨床試験、市販後調査に至るまで、医薬品開発プロセス全体において重要な懸念事項です。心毒性の評価には動物モデルが一般的に用いられていますが、ヒトにおける毒性を正確に予測できないことが多いため、ヒト多能性幹細胞由来心筋細胞(iPSC-CM)を用いた新しいアッセイが心毒性スクリーニングプロトコルに組み込まれつつあります。本稿では、ヒトiPSC由来心筋細胞を心毒性スクリーニングに利用することの利点と問題点を探り、iPSC由来心筋細胞の成熟化を促進する新しい細胞培養基材をご紹介します。
第1回:ヒトiPS細胞から分化誘導された心筋細胞は成熟化が必要。その理由とは?
第1回:ヒトiPS細胞から分化誘導された心筋細胞は成熟化が必要。その理由とは?
多能性幹細胞(iPSC)由来の心筋細胞は、毒性研究、疾患モデリング、心血管系疾患の治療など幅広い応用が期待されています。しかし、その普及を阻む課題として、生体組織に類似した成熟心筋細胞の作製が困難であることが挙げられています。iPS創薬、再生医療、心毒性試験においてiPSC技術の可能性を最大限に発揮するためには、医学、生物学、工学など様々な専門分野の先端技術を結集し、心筋細胞の成熟化の問題に効果的に取り組む必要があります。ここでは、現在の成熟化戦略について述べるとともに、ヒト多能性幹細胞由来心筋細胞の成熟化のための新しい「配向性」細胞培養基材をご紹介します。